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紙のオーナメント


 クリスマス用に紙のオーナメントを作ってみました。色の違う二枚の紙を市松に組んで作ったハートです。見ようによってはリンゴにも見えるかな。


 表だけじゃなく、裏もきれいに市松模様になります。


 こんなふうに袋状になるのであめ玉くらいなら入れられます。ぶら下げようの取っ手は別紙を貼って作ります。


 作り方を口で説明するのは難しいです。紙を切り抜いて図のようなものを作ってください。灰色の点線は折り線で、黒い線は切取線です。
 製図法は、12cm x 6cm の長四角を描いて、両端に半径3cmの半円を描き足します。これで長さ18cmのはしっこが丸い紙片ができます。それから、図のように紙片にスリット(切り込み)を入れますが、幅2cmになるように丁寧に切ってください。
 こういうのを色違いで二枚作って、点線のところで半分に折って、市松模様になるように組み合わせます。裏も表も市松になるように組むのがちょっと難しいです。しかも組み方を口で説明できない…(汗) 紙に余分な折り目を付けないように曲げたりゆがませたりしながら頑張って組んでみてください。うまく組めたら別紙で取っ手を作って糊で貼ればできあがりです。スリットは気持ち長めに切り込んでおくと作業しやすいです。
# by chinjuh | 2004-12-06 20:08 | クリスマス

ピンクッション


 先日のどんぐり染めで何か作ってみようと思うのですが、こういうナチュラルな淡い色合いのものは、一体どう使えば素敵なものになるのでしょう。

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 単独で使っても面白くはないので手持ちの布とあわせてピンクッションにしてみました。最初、緑を使ってみたら、これがまるでパッとしない。引き立て合うどころか足を引っ張りあってしまいました。

 困った時は暖色系に頼りましょうということで、今度はピンクとあわせてみました。今度はさっきよりずっとましです。

 ついでだから赤い布で四隅に飾りをつけてみました。うーん、これは賛否両論ありそう?
# by chinjuh | 2004-11-29 19:33 | パッチワーク

さるぼぼ

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 猿のマスコットといえば忘れてはいけないのが「さるぼぼ」です。「這子人形」などとも呼ばれています。このマスコットの作り方を探してる人はけっこういらっしゃるようで、「さるぼぼ」「つくりかた」「作り方」なんてキーワードを文章にまぜておくだけで、年に何度か検索でたどり着く人がおられます。せっかくだから作り方をご紹介したいと思います。くくり猿同様とても簡単に作れるものです。

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 用意するものは、胴体にする長方形の布と、顔にする丸い布。詰め物用の綿と、針・糸・ハサミです。布の大きさは、こうでなきゃいけないというような決まりはありません。最初に実験で作ってみて、次からはバランスを調節してください。

 布はなんでもいいと思います。飛騨のさるぼぼみたいにしたいなら真っ赤な布を用意しましょう。赤は魔よけの色です。這子人形と呼ばれる時は、色の決まりはないと思います。白いとほんとに赤ん坊みたいで生々しく、きれいな縮緬の布なんか使うと可愛らしくなります。

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 まず胴体を作ります。胴体は必ず長方形の布を使ってください。長い布を使うほど胴が長くなります。あまり短いと、あとで裏返す時にちょっと苦労すると思います。上の図のように、同じ印のついているところを縫い合わせると四つの角が手足になります。
 では、実際に縫い合わせてみましょう。

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 角をひとつ縫い合わせてみました。短い辺のまん中までで縫い止めてください。縫いすぎると左右で足の長さが違ってしまいます。

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 これで足(手)が二本できました。こうやって、だんだん形になってくると、まん中で縫い止めなきゃいけない理由が自然にわかると思います。

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 残りの角も縫い合わせました。お腹のところはあけといてくださいね。ここから表に返して綿を詰めます。お腹のあきが狭すぎると表に返すのに苦労します。

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 裏側はこんな感じです。だいぶ胴体っぽく見えてきました。これに綿をつめて、お腹を閉じると胴体になります。

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 綿を詰めてるところです。足の先にしっかり綿を詰めましょう。詰めたら布と同じ色の糸でお腹をまつり縫いでふさいでください。

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 次に頭を作ります。頭は丸い布のまわりをぐるっと一周縫って、写真のように綿をのっけて糸をきゅーっと引っ張って作ります。できたら胴体と縫いつけます。

 簡単な作りのものですから、胴体と頭の大きさのバランスや、縫いつけ方でだいぶ表情がかわります。個人的にはさるぼぼ=這子人形だと思っているので、はいはいしている子(這子)のように、四つ足になった状態で顔が前を向くように縫いつけることにしてます。頭のとじ目を隠すように胴体に縫い止めるとちょうどそうなります。

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 これは背中側から頭のつけねを見たところです。こんなふうにとじ目が出ないように縫いつけると、座った時にいくらか上を向いた感じに頭がつきます(這わせると前を向きます)。

 飛騨のおみやげ屋さんにあるのは、座らせた状態で顔が前にむくようにつけてあるようです。これだと、頭のとじ目が後頭部に出てしまうので、黒い布でほっかむりをさせて隠してるみたいです。

 飛騨のさるぼぼは、ほっかむりの他にちゃんちゃんこや腹掛けなんかもしてますが、そいうものはあくまでオプションなので、各自工夫して着せつけてあげてください。

 この手のお人形は、もともと自分の身代わりとして作り、つねに身近なところにおいて、かわいらしく着せ替えて大事にしておくものです。いつも大事にしておくと、何か悪いことが近づいてきたときに、自分のかわりに人形が不運を背負ってくれます。

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 というわけで完成です。
 手前の這ってるのは、わたくしオリジナルの猫ぼぼ。耳と尻尾をつけて、頭に簡単な刺繍をしてあります。
 さるぼぼにも顔を作るケースがありますが、ごくごく簡単に、への字口を作る程度にするのがコツのようです。人格があるんだかないんだかわからない程度の顔にしたほうが、自分を投影しやすいんだと思います。あくまで自分の身代わりにするための人形なので、別の人格が見えてしまってはダメなんです。


 似たような猿のお守り「くくり猿」「みがわり猿」についてはこちらをどうぞ。
# by chinjuh | 2004-11-29 15:06 | 布の小物

くくり猿

くくり猿

 もうすぐ終わっちゃう申年にちなんで(?)猿にまつわる伝統的なマスコットをご紹介します。写真のものは「くくり猿」と呼ばれるもので、縫う部分がほとんどないので初めて針を持った人でも作れる簡単な小物です。名前の由来はくくって作るから、もしくは手足をくくられた獣のような形をしているからだと思います。

 猿は去るという発音に通じることから、悪いことが去るという意味の縁起物です。昔の人はこういうものを根付けなどにしてお守りとして身につけたようです。病気や不運といった悪いものを猿が代わりにひきうけてくれるので身代わり猿とも言われます。手足をくくられて人の代わりにされるのですから、ひょっとすると荒ぶる神に犠牲として捧げられた獣や、人身御供になった人間を意味しているのかもしれません。ちょっと意味深なマスコットですね。

 詳しい作り方は「珍獣様のお針箱・くくり猿」に豊富な写真入りで解説しましたのでよろしければどうぞ。

くくり猿の針刺し

 くくり猿を針刺しにあしらってみました。
 お裁縫というのは不思議な作業です。針と糸とハサミを使って、平面な布から立体的なさまざまなものを作り出し、しかもそうやって作ったものを人は毎日身につけて暮らしてます。指を動かしている間は、頭のなかにさまざまな思いがぐるぐるとまわっています。時には人を憎らしいと思ったり、日々の愚痴を誰に言うともなく頭の中で繰り返してしまったり、マイナス方向の気持ちがまわってしまうこともありますが、そんな思いも猿がかわりに背負ってどこかへ持ち去ってくれそうな気がします。
# by chinjuh | 2004-11-29 14:42 | 布の小物

どんぐり染め

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 山のツキノワグマに送ってやる予定だったドングリ。スダジイやシラガシ、ミズナラなんかも混ざってます。集めてる団体が「もう倉庫がいっぱいです~」と受け入れをやめちゃったので、何に使おうか考えました。最初は食べちゃおうかなと思ったんです。殻を割って、重曹を加えて茹でて、水にさらしてあく抜きすれば食べられます。でもあく抜きには時間がかかって大変なので、染め物にすることにしました。

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 どんぐりは、ざっと洗って土を落として、軽く踏みつぶして殻を割りました。そのまんまでもいいんだけど、殻だけでなく内側の渋皮や仁にもタンニンが含まれているような気がするので。踏みつぶして割っておけば成分が出やすいでしょう? それから鍋に移して水を注いで煮出します。水温が上がるにつれ水が茶色くなっていきます。しばらくグツグツ煮だしておきましょう。

 その間に布の準備です。今回は木綿を使います。イトーヨーカドーの手芸売り場でメーター200円だったものです。生成で目が細かくて薄手の木綿地です。はたしてちゃんと染まるでしょうか。草や木の色素は木綿より絹や毛と相性が良いと聞きます。木綿を染めるには、豆乳に浸して下地を作ってからすると発色が良くなると聞いたこともありますが、今回は何もせずにそのまま染めてみます。染める前に水でよく濡らして、固く絞っておきます。先にぬらしておくと色素が繊維に染みこみやすくなるらしいです。

 どんぐり汁がいい具合に茶色くなってきたら、ザルで漉してドングリを取り出します。それから先ほどぬらしておいた布を熱いどんぐり汁につけて、汁をよく吸うように箸でなじませます。そのまま数時間放置するのですが、たまに思い出したら様子を見ながら空気にふれさせてみました。空気にふれると酸化して色が濃くなるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょうね。

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 ドングリ汁に数時間浸したら、今度は媒染です。媒染というのは、色素を化学変化させて定着させる作業です。ドングリの媒染には、明礬(みょうばん)や鉄釘を使うといいらしいです。鉄を使うと色が黒くなり、明礬だと茶色く染まるようです。今回は明礬を使いました。明礬は薬屋さんに行けば質のよいものを買えますが、なるべく身近にあるものを使いたいので漬物用の焼き明礬を使いました。

 布をとりだしてから、どんぐり汁をあたためかえして、沸騰したところに明礬を加えます。溶けたら布をもどして、そのまま数分ぐらぐら茹でて、火をとめて冷めるまで数時間放置しました。

 汁が冷めたころに布を取り出して絞ってみると、なかなかいい色に染まってます。上の写真は右が染める前の布で、左が染めたものです。でも、まだ安心できません。染まっているように見えても、繊維に定着していないと簡単に落ちてしまいます。水洗いしてみるまで結果はわかりません。

 すぐに洗ってみたいところですが、ここはぐっとこらえて、一晩風にあてて乾かしてみることにしました。食べこぼしの染みだって、直後に洗うときれいに落ちますが、時間がたつと落ちにくくなります。どんぐりだってきっとそうだと思うんです。明日、布が乾いたら洗ってみます。

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 一晩たちました。
 乾いたら、だいぶ色が薄くなってしまいました。とはいえ染める前の布とくらべたらしっかり色がついています。さっそく水洗いしたところ、いくらか色落ちしましたが、布が白くなってしまうほどではありません。ちゃんと染まっているようです。草木染めですから、多少の色落ちは仕方がないと思います。

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 乾かしてアイロンをかけました。渋い茶色に染まってます。繰り返して染めればもっと濃い色になるかもしれませんが、今回はこれで満足です。

 せっかく染めたので、近いうちに何か作ってみようと思ってます。
# by chinjuh | 2004-11-17 01:20 | 草木染め