くくり猿

くくり猿

 もうすぐ終わっちゃう申年にちなんで(?)猿にまつわる伝統的なマスコットをご紹介します。写真のものは「くくり猿」と呼ばれるもので、縫う部分がほとんどないので初めて針を持った人でも作れる簡単な小物です。名前の由来はくくって作るから、もしくは手足をくくられた獣のような形をしているからだと思います。

 猿は去るという発音に通じることから、悪いことが去るという意味の縁起物です。昔の人はこういうものを根付けなどにしてお守りとして身につけたようです。病気や不運といった悪いものを猿が代わりにひきうけてくれるので身代わり猿とも言われます。手足をくくられて人の代わりにされるのですから、ひょっとすると荒ぶる神に犠牲として捧げられた獣や、人身御供になった人間を意味しているのかもしれません。ちょっと意味深なマスコットですね。

 詳しい作り方は「珍獣様のお針箱・くくり猿」に豊富な写真入りで解説しましたのでよろしければどうぞ。

くくり猿の針刺し

 くくり猿を針刺しにあしらってみました。
 お裁縫というのは不思議な作業です。針と糸とハサミを使って、平面な布から立体的なさまざまなものを作り出し、しかもそうやって作ったものを人は毎日身につけて暮らしてます。指を動かしている間は、頭のなかにさまざまな思いがぐるぐるとまわっています。時には人を憎らしいと思ったり、日々の愚痴を誰に言うともなく頭の中で繰り返してしまったり、マイナス方向の気持ちがまわってしまうこともありますが、そんな思いも猿がかわりに背負ってどこかへ持ち去ってくれそうな気がします。
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by chinjuh | 2004-11-29 14:42 | 布の小物
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